借地権トラブル!
これを読んで解決への糸口に

借地権のトラブル事例

目次開く

借地権とは、第三者から土地を借り、その上に建物を建てる権利のことです。土地を借りる人を借地人や借地権者、貸す人を地主、借地権設定者、底地人などと呼びます。
借地人からしたら他人の土地に自分の建物を建て生活する、地主からすれば自分の土地に他人の建物が建ち生活をされるわけですからトラブルが起きることもよくあります。
また、相続によって借地権や底地(借地権者の建物がある土地)を取得した場合、よく法律や制度が分からないまま所有しているケースも多いです。未然に紛争を防ぐためには、どのようなトラブルが起こるかを予測し、それぞれの対応策をしっかり把握しておくことが大切です。

「借地権問題=土地が自分のものでないための悩み&トラブル」

借地権者(借地人)の方々は下記のような大変多くの問題に直面すると思います。借地借家法等の法律で守られているとしても、やはり結局は「第三者の土地を一定の条件の上で使用する権利」に過ぎないからです。それゆえに様々な制約等を受けてしまいそれが様々なトラブルに繋がっていきます。

借地権に関しての諸問題(⼤きな要素)

突然地主さんが代わり
今までの関係が0になり、
また地代の値上げや立ち退きも
要求される
大部分が地主さんの
承諾が必要
承諾科を要求される 地主さんの承諾が得られなければ
裁判にて承諾を受けられる可能性はあるが、
専門の知識と時間が必要
土地を買い取りたいが
地主様が承認してくれない
承認が得られても個人で
第三者に売却するのは容易ではない
担保価値が低いため、
住宅ローン等の銀行融資が
受けづらい
所有権に比べ資産価値が低く、
思ったとおりの値段が付かない
借地権者様の悩み

借地権者様が直面する悩みは上記のようなものが多くあります。その中でも特に多くご相談を受けるのが、承諾を認めてくれないケースです。

承諾には、譲渡承諾、建替承諾、ローン承諾とあります。
譲渡承諾とは、借地権を売却する際に、第三者への売却を承諾しますという地主様よりもらう書面になります

建替承諾とは、リフォーム・増改築等する際に地主様よりもらう書面になります。

ローン承諾とは、第三者に借地権者様が売却する際に買主が借地権を購入する費用を銀行から融資を受けるために必要になります。(金融機関提出書類で融資を受ける際には必ず必要な書類になります。)

次に多いご相談内容は、相続した借地を地主から使用していないなら、更地にして返してくださいと言われているケースです。更地にして返却して下さいと言われているのは相続時だけではなく、他のご相談を受けた時にもよく耳にします。
確かに、地主に土地を借りてその上に建物を建てているので、現状に復して返却する義務はあります。しかし、借地権は第三者にも売却できる権利でもあります。

上でも記載したように、売却の際には地主の承諾が必要となり、更地にして返してくださいと言っている地主様は譲渡承諾を認めないケースも多々あります。ご相談を受けた時には相談者様が疲労困憊している事もありました。

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借地権の更新時に起こるトラブル

借地権の更新時に起こるトラブルとして多いのは「更新料の請求」と「更新の拒絶」です。この2つは特に多いのでどのように対応すべきか知っておくことが大切です。
他にも契約内容の変更や、旧法から新法への切り替えを要求されるなどもあります。

CASE1. 更新料を請求された

契約満了時に地主から更新料を請求された。契約書には更新料による定めはなく、口頭などでも更新料を支払うことについて合意をしていない。

借地権の更新時に支払う更新料ですが、昔は支払うことが慣習としてありました。そのため、わざわざ定めなくてもよいという考えの地主は多く、契約書に記載がなくても当然のように請求されることがあります。
更新料の支払いについては民法や借地借家法等の法律で定められているわけではなく、あくまで契約内容によるものです。
契約書で更新料の支払いについて特段定めておらず、両者の合意がない場合は更新料の支払いは必要ありません。また、更新料を支払わなかったことを理由に更新を拒絶されることもありません。
ただし、契約とは必ずしも書面で残す必要はなく、口約束でも更新料について合意してしまったのであれば支払いの義務が生じます。
また、相続や売買などで取得した借地権の場合、当初の契約書には記載がなくても、後々覚書や合意書を交わしている可能性があります。
その場合は支払いの義務が生じますので、契約書以外の書類がないか注意が必要です。

CASE2. 法定更新による更新料を請求された

契約書において更新時には更新料を支払うことを定めていたが、合意の更新は行わなかった。その後、建物は存続しており、土地を継続したため法定更新が行われた。

法定更新の場合も更新料を支払うことを定めていた場合、支払いの義務が発生します。
しかし、そこまでを取り決めていることは少なく、「更新料を支払う旨の合意はしていたが、法定更新の場合の定めはしていなかった。」というのは裁判で争われることも多い内容です。
この場合、過去に更新料の支払いの実績があったかどうか、次回更新時に更新料を支払う合意が合ったのかという論点で判断されます。

おまけ:法定更新とは
借地権の存続期間が終了した後に借地権者が土地の使用を継続するとき、建物残っている場合は土地の賃貸借契約(借地契約)を更新したものとみなされます。これを法定更新といいます。
e-Govポータル 借地借家法5条2項

CASE3. 更新料の定めはないが過去に支払ってしまった

契約書に更新料の定めはないが、過去に更新料を払ってしまった。次回の更新時は支払いを拒否したい。

過去に更新料の支払いの実績がある場合、契約書に定めがなかったとしても合意しているとみなされ、更新料の支払いが必要となることがあります。
また、直近は更新料を支払っていなくても過去には支払っていたことがあり、さかのぼって請求されてしまうケースもあります。
契約書の内容だけでなく、過去の支払い実績などを確認しておくことが重要です。更新料の支払いが法律上の義務だと錯誤(勘違い)していた場合は、合意していなかったとみなされることもあります。非常に難しいケースですので専門家に相談したい事案です。

CASE4. 更新を拒絶された

契約満了が近くなったので更新の請求をしたが、更地にして土地を売却したいと地主に拒否された。

自分の土地を他人に使わせている地主の中には、後々自分で活用したいと考える人もおり、契約期間の満了を理由に土地の返還を求められることがあります。
しかし基本的に建物が存在する場合、借地権は更新されます。地主は正当な事由がない限り更新を拒否することができません。
e-Govポータル 借地借家法第6条
また、万が一正当な事由が認められ、契約が更新されない場合も借地人は地主に対して建物を買い取るように請求できる建物買取請求権が認められています。建物買取請求権は相手の合意は不要なため地主の承諾は必要ありません。
e-Govポータル 借地借家法第13条
借地人の権利について知っておくことで、「契約期間が終了してしまったのであればしょうがない」、「地主さんの所有物だからしょうがない」と更新の拒絶を受け入れてしまうことを防ぐことができます。

(借地契約の更新請求等)
第五条 借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、建物がある場合に限り、前条の規定によるもののほか、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、借地権設定者が遅滞なく異議を述べたときは、この限りでない。
2 借地権の存続期間が満了した後、借地権者が土地の使用を継続するときも、建物がある場合に限り、前項と同様とする。
3 転借地権が設定されている場合においては、転借地権者がする土地の使用の継続を借地権者がする土地の使用の継続とみなして、借地権者と借地権設定者との間について前項の規定を適用する。 (借地契約の更新拒絶の要件)
第六条 前条の異議は、借地権設定者及び借地権者(転借地権者を含む。以下この条において同じ。)が土地の使用を必要とする事情のほか、借地に関する従前の経過及び土地の利用状況並びに借地権設定者が土地の明渡しの条件として又は土地の明渡しと引換えに借地権者に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、述べることができない。
(建物買取請求権)
第十三条 借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる。
2 前項の場合において、建物が借地権の存続期間が満了する前に借地権設定者の承諾を得ないで残存期間を超えて存続すべきものとして新たに築造されたものであるときは、裁判所は、借地権設定者の請求により、代金の全部又は一部の支払につき相当の期限を許与することができる。
3 前二項の規定は、借地権の存続期間が満了した場合における転借地権者と借地権設定者との間について準用する。
引用:e-Govポータル「借地借家法第5,6,13条」

CASE5. 更新を拒絶された(事業用の建物)

借地にアパートを建てて貸していたが、建物の老朽などの理由に更新を拒否された。

基本的な考え方はCASE4と同じで、建物が存在する場合は正当な事由がない限り更新を拒否することができません。
しかし、正当な事由とは借地人と地主のそれぞれがその土地を必要とする事情について総合的に判断されます。

おまけ:借地権は売却可能
借地権は借地人の財産であり、第三者に売却することが可能です。
借地上の建物を使用しなくなったとしても、更地にして返還する前に一度不動産会社に相談することをおすすめします。(ただし売却の際は地主の承諾が必要になります。)
株式会社マーキュリーでは借地権の買取を行っております。相談も無料で行っています。

CASE6. 更新をせず、契約期間が切れてしまった

契約の更新の手続きをすることなく、契約期間を過ぎてしまった。地主から契約切れを理由に借地の明け渡しを請求された。

契約期間を過ぎてしまった場合でも借地を明け渡す必要はありません。借地上の建物が存在し地代の支払いを行っている場合には、従前の契約と同一の条件で更新したものとみなされます。これを法定更新といいます。
しかし新しい契約書を交わす、覚書を交わすなどで、このようなトラブルは未然に防ぐように徹底することをおすすめします。

CASE7. 旧法から新法に変更になると言われた

契約の更新時に、更新後は旧法借地権から新法借地権に変更になると言われた。

借地借家法(新法)は平成4年8月1日に施行されましたが、それ以前に借地契約を交わした場合、旧法の借地法が適用されています。現在存続する借地でも旧法が適用されているものは多いです。 なかには借地借家法が施行された平成4年8月1日以降に借地契約の更新を行う場合は自動的に新法借地権に変更になると勘違いされている地主もいますが、そのようなことはありません。
契約内容は従来の契約のまま更新されますので、原則、旧法借地権は旧法借地権のまま更新されます。
新法が旧法と大きく違う点は、更新期間が変更となった「普通借地権」、契約の更新ができない「定期借地権」が創設されたという点です。
借地人と地主の合意があれば旧法から新法への切り替え自体は可能ですが、旧法借地権から新法への変更は、借地人にとってメリットがほぼ無いと思われます。
地主との交渉でどのようにするのが良いか迷った際は、株式会社マーキュリーへご相談ください。

おまけ:3つの定期借地権

① 一般定期借地権
存続期間を50年以上とした契約で、原則として借地人は建物を解体し土地を返却する必要があります。そのため建物買取請求権はなく、また、建て替えをした場合も存続期間の延長はありません。定期借地権のマンションなどでは解体積立金を積み立てる必要があります。
一般定期借地権の契約は公正証書などによる書面でなければなりません。

② 建物譲渡特約付借地権
存続期間を30年以上とした契約で期間満了後に地主が建物を時価で買い取ることを定めた契約です。建物を解体する必要がなく、アパートやマンション建築の際に使うことが多いです。存続期間が過ぎ、借地権が消滅した後も賃貸として住むことができます。

③ 事業用定期借地権
居住用ではなく、事業用に土地を借りる場合の借地権です。一部であっても居住用として使用することはできません。契約を締結する場合には、必ず公正証書でなければなりません。存続期間は10年以上50年未満で、一般定期借地権同様に建物を解体し更地で返却する必要があり、建物買取請求権もありません。

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借地権の売買時に起こるトラブル

借地権と借地上の建物は借地人の財産のため売買が可能ですが、賃借権の譲渡には地主の許可が必要となります。地主の承諾を得ずに、勝手に売買を進めてしまうと借地契約解除の事由になり得ますので、注意が必要です。
しかし地主の中には、「新しい借地人がしっかり地代を払ってくれるか分からない」、「変な人だったらどうしよう」という不安や、「そもそも手続きが面倒」、「なんとなく嫌だ」という理由から承諾を得られない場合があります。
また、法外な承諾料を請求されるなどのトラブルが起きることもあります。

(賃借権の譲渡及び転貸の制限)
第六百十二条 賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。
2 賃借人が前項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができる。
引用:e-Govポータル 民法第612条

CASE8. 地主が譲渡の承諾をしてくれない

賃借権の売却をしたいが、特に理由もなく地主が承諾をしてくれない

賃借権の譲渡(売却)には地主の許可が必要なため、承諾してくれないからといって勝手に譲渡を進めてはいけません。
特に理由もなく拒否されているときは、譲渡承諾料を支払うことで納得してくれるケースが多いです。これは借地権名義書換料とも呼ばれ、譲渡承諾書を交わす手間賃などの意味で支払います。相場は概ね借地権価格の10%程度とされます。
それでも承諾が得られないときは、地主に代わって裁判所に許可を求めることができます。
こういった交渉は借地のプロに相談し、穏便に進めたいところです。
※ちなみに借地権の種類が地上権の場合は、地主の許可は不要です。借地契約書や登記を確認し、正しい対応が必要となります。

(土地の賃借権の譲渡又は転貸の許可)
第19条 借地権者が賃借権の目的である土地の上の建物を第三者に譲渡しようとする場合において、その第三者が賃借権を取得し、又は転借をしても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。
この場合において、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、賃借権の譲渡若しくは転貸を条件とする借地条件の変更を命じ、又はその許可を財産上の給付に係らしめることができる。
引用:e-Govポータル 借地借家法第19条

株式会社マーキュリーでは借地非訟裁判もお任せください。提携弁護士と連携して借地人様のお悩みを解決いたします。 一度ご相談ください。

CASE9. 地主がローン承諾をしてくれない

地主から賃借権の売却の承諾は得られたが、ローンの承諾は得られなかった。

賃借権の譲渡には地主の承諾が必要だとお伝えしましたが、借地上の建物の売買で買い主が住宅ローンを組む場合も地主の承諾が必要です。(借地上の建物への抵当権設定の承諾ともいえます。)
金融機関の多くが地主の承諾を求めるという実情があります。
しかし、ローン承諾は法律で定められているものではないため、譲渡の承諾と違い裁判所に代わりの許可を求めることはできません。
地主からローン承諾が得られない場合は買い主に現金で購入してもらうか、担保不要の融資を探してもらう必要があります。
現金で一括で買える人は少なく、担保不要の融資は住宅ローンよりも金利は高くなることが多いので、地主からローン承諾をもらえない場合は売却が難しくなる傾向にあります。

株式会社マーキュリーでは、地主からローン承諾をもらえない物件でも買取可能です。一度ご相談ください。

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借地権の相続時に起こるトラブル

借地権も財産のため、借地人が亡くなった場合は相続が発生します。地主だけでなく、複数の相続人が関係してくるためトラブルが起きやすいです。 ポイントは相続による借地権の取得は譲渡ではないという点です。これを抑えておけばどのような対応が正しいか見えてくると思います。

CASE10. 相続により借地の返還を求められた

借地人が亡くなったため、借地契約は終了したと言われた。

借地人が亡くなった場合、借地契約は終了せずに従前の契約のまま、相続人に引き継がれます。
借地権の相続は譲渡ではないため地主の承諾は不要です。地主が一方的に契約を解除することはできません。

CASE11. 相続人への名義変更料を請求された

借地権を相続した際に、地主から名義変更料を請求された

相続による借地権の取得は譲渡には当たりません。
そのため借地契約書の名義を変更する必要はありませんし、当然、名義変更料を支払う必要もありません。
相続によって借地権を取得した場合は、その旨を地主に通知し、借地上の建物の登記を相続人名義に変更すれば大丈夫です。
建物の登記をしないと地主が代わった際に、借地権を主張できなくなってしまうので必ず行う必要があります。(借地借家法第10条)

※法律上は名義変更料を支払う必要はありませんが、今後長く付き合っていく地主さんとの関係性を考え、支払うケースもあります。名義変更料を支払わなかったことで関係が悪化し、将来、譲渡や増改築の承諾が得られないなどのトラブルを防ぐためです。
煩わしいのですが、借地権は地主との良好な関係性が大切になります。

(借地権の対抗力)
第十条 借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。
2 前項の場合において、建物の滅失があっても、借地権者が、その建物を特定するために必要な事項、その滅失があった日及び建物を新たに築造する旨を土地の上の見やすい場所に掲示するときは、借地権は、なお同項の効力を有する。ただし、建物の滅失があった日から二年を経過した後にあっては、その前に建物を新たに築造し、かつ、その建物につき登記した場合に限る。
引用:e-Govポータル 借地借家法第10条

CASE12.相続税が高額になる可能性がる

相続税がいくらかかるか分からないので相続人同士で揉めている。

借地権の相続税の評価額は相続税路線価にて算出することができ路線価に対して借地権割合(30%~90%)が振られています。

記号 A B C D E F G
借地権割合 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30%

相続税の基礎控除に加え、居住用であれば、小規模宅地等の特例により評価額が控除されます。
しかし要件が複雑なため、借地権の評価額の算出は非常に難しく、思ったよりも相続税がかかってしまったなどとトラブルになる恐れがあります。
借地権付き建物を売却し、現金を相続で分け合うなどを検討するのがよいかもしれません。
相続が発生した際は税理士や借地権の取り扱いが多い専門の不動産屋に相談しましょう。

株式会社マーキュリーでは税理士と提携しており税に関するご相談も承っております。お気軽にご相談ください。

おまけ:相続税の控除
■基礎控除額(3,000万円+法定相続人の数×600万円)
■小規模宅地等の特例(土地の課税評価額の80%を控除)

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その他のトラブル

まだまだ借地権に関するトラブルの例があります。また、トラブルとまではいかなくても、こんなときどうしようという点についてもケースごとに解説していきます。

CASE13. 借地権を売りたいけど借地契約書が見つからない

借地権の売却をしたいが、土地の賃貸借契約書(借地契約書)を紛失してしまった。

結論、契約書が無くても売却は可能です。ただし下記の2つの条件を満たす必要があります。

① 地代を払っていて、その証明書類があること。
② 借地上の建物の登記が借地権者の名義となっていること。

地代の支払の証明書類は、領収書や振込通知書で大丈夫です。建物の登記については法務局で調べられます。
万が一、登記がされていなかった場合は、速やかに登記を行うことをおすすめします。(売却を止めたとしても、建物の登記がないと第三者に借地権を主張できないためです。)

CASE14. 底地が売却されてしまい、地主が代わった

借りている土地が第三者に売却されてしまい、地主が代わった

地主が代わったとしても借地契約はそのまま引き継がれます。
新しい地主から借地契約の解除(立ち退きを求められる)、地代の値上げなどを要求されても拒否して問題ありません。
※適正な理由での地代の値上げには応じる必要があります。(CASE15を参照)
ご自分の財産を守るために、地代をしっかりと遅滞なく払う(拒否された場合は法務局に供託する)、建物の登記を行うということをおすすめします。
また、地主が底地の売却を考えていたら自分が買い取ることを検討してもよいと思います。借地権が所有権になる事は借地権者にとってメリットは大きいです。
普段から良好な関係を築き地主さんが底地を売るタイミングなどをうかがっておきましょう。

※底地とは借地権が設定されている土地のことで、借地人が地主から借りている土地を指します。

CASE15. 地主から地代の値上げを交渉された

底地周辺の地価が上がったため、地代を値上げしたいと言われた。

借地借家法では地代増額請求権が認められております。底地周辺の地価が上がったことで固定資産税が上がったなど、適正な値上げであれば応じる必要があります。
しかし、安易に値上げを承諾するのではなく、本当に適正な値上げであるのかどうかを吟味することが大切です。根拠の説明やその資料をもらうようにし、検討しましょう。
地代を増額しない旨の特約を定めていた場合は、特約が優先されるので値上げに応じる必要はありません。
また、交渉中に値上げした金額でなければ地代を受け取らないと言われる可能性があります。
受け取らないからといって地代を支払わずに放置していると、債務不履行として借地契約を解除されてしまいます。受け取りを拒否された場合は法務局に供託することができます。

(地代等増減請求権)
第十一条 地代又は土地の借賃(以下この条及び次条において「地代等」という。)が、土地に対する租税その他の公課の増減により、土地の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍類似の土地の地代等に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって地代等の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間地代等を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。
2 地代等の増額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、増額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の地代等を支払うことをもって足りる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払った額に不足があるときは、その不足額に年一割の割合による支払期後の利息を付してこれを支払わなければならない。
3 地代等の減額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、減額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の地代等の支払を請求することができる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払を受けた額が正当とされた地代等の額を超えるときは、その超過額に年一割の割合による受領の時からの利息を付してこれを返還しなければならない。
引用:e-Govポータル 借地借家法第11条

CASE16. 地代を滞納してしまった

うっかり口座にお金を入れておくのを忘れてしまい、支払日までに自動振込がされなかった

地代の支払が1、2回遅れただけでは、債務不履行で即契約解除とはならないケースが多いのですが、何ヶ月も支払が遅れている、数カ月分まとめて支払うことが何度もある場合は解除が認められた事例がありますので注意が必要です。
万が一、何らかの事情で遅れてしまう場合は支払いの猶予を交渉してみるのも選択肢の一つです。
債務不履行で借地契約が解除されるステップとしては下記のとおりです。

① 3ヶ月以上の地代が滞納している
② 地主から借地人に地代を支払うよう催告する
③ 催告の期限までに支払いがされなかった場合、契約解除

うっかり支払いが遅れてしまっても、契約を解除される前に地主から地代を払うよう催告されます。(民法541条)
とはいえ、気がついたら早い段階で支払うようにしましょう。

(催告による解除)
第五百四十一条 当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。
引用:e-Govポータル 民法第541条

CASE17. 地主が建て替えの承諾をしてくれない

借地上の建物が古くなってきたので建て替えをしたいが、地主が承諾をしてくれない。

借地借家法などの法律では増改築を制限するものはありません。借地契約書に特約が定められていない限り、地主の承諾は不要です。
しかし実際には特約が定められているケースが多く、その場合は地主の許可が必要なため勝手に建て替えてはできません。
もし、地主が建替えの承諾をしてくれない場合は裁判所に承諾を求めることができます。(借地非訟)
ただし、金融機関の多くはローンを組む際に地主の承諾(抵当権設定承諾)を求めてきます。
裁判所の承諾は建て替えの代諾許可であり、抵当権設定承諾までの許可は取れません。
地主さんが建て替え承諾を認めない場合、抵当権設定承諾(ローン承諾)を出さない傾向にあり、建て替えの費用は現金で捻出しなければなりません。
地主が建て替えを承諾しない理由としては、過去に「地代の滞納があった」、「更新料の請求を断られた」、「地代の値上げを断られた」などがあります。日頃から地主と良好な関係を築くことでトラブルを回避できるかもしれません。

CASE18. 借地上に子供の名義で建物を建てたい

借地契約の名義は自分だが、建て替えの際に子供の名義で建物を建てたい。

共有名義の場合、売却をするには共有者全員の同意が必要です。一人でも反対する人がいると売却はできません。
共有者の同意が得られない場合、自分の共有持分であれば売却が可能です。一般の人が共有持分だけを買ってくれることはほぼないため、売却先は他の共有者か共有持分を買い取ってくれる不動産会社になります。
共有持分の売却について他の共有者の同意は不要で、通知をする必要もありません。
ただし、地主の承諾は必要なのでご注意ください。

※売却する同意は得られたものの、買い手が見つかった際に、売却金額で揉めるケースもあります。共有者一人でも売却金額に納得していないと進めることができません。共有名義の不動産は何かとトラブルが多いので相続の際は単独名義となるよう調整するのがよいかもしれません。

CASE19. 共有名義の借地権付き建物を売却したい

相続で借地権付き建物を取得したが、相続人が複数いたため共有名義となっている

地主の承諾を得て、可能であれば借地契約の名義を変更することをおすすめします。 借地契約の名義と建物の名義が異なる場合、無断転貸や無断譲渡とみなされ契約解除されてしまう恐れがあります。

CASE20. 借地上の建物が火事になってしまった

借地上の建物が火災でなくなってしまったため再築したい

火災や天災が原因で滅失した場合の再築であっても、原則地主の許可が必要となります。地主の許可が得られると借地権の存続期間は更新されます。延長される期間は建物が滅失した日、もしくは再築された日から20年間です。(借地借家法第7条)
※定期借地の場合は地主の承諾を得ても借地期間の更新はありません。
地主の許可が得られない場合は基本的には借地契約は解約となります。

(建物の再築による借地権の期間の延長)
第七条 借地権の存続期間が満了する前に建物の滅失(借地権者又は転借地権者による取壊しを含む。以下同じ。)があった場合において、借地権者が残存期間を超えて存続すべき建物を築造したときは、その建物を築造するにつき借地権設定者の承諾がある場合に限り、借地権は、承諾があった日又は建物が築造された日のいずれか早い日から二十年間存続する。ただし、残存期間がこれより長いとき、又は当事者がこれより長い期間を定めたときは、その期間による。
2 借地権者が借地権設定者に対し残存期間を超えて存続すべき建物を新たに築造する旨を通知した場合において、借地権設定者がその通知を受けた後二月以内に異議を述べなかったときは、その建物を築造するにつき前項の借地権設定者の承諾があったものとみなす。ただし、契約の更新の後(同項の規定により借地権の存続期間が延長された場合にあっては、借地権の当初の存続期間が満了すべき日の後。次条及び第十八条において同じ。)に通知があった場合においては、この限りでない。

(借地契約の更新後の建物の滅失による解約等)
第八条 契約の更新の後に建物の滅失があった場合においては、借地権者は、地上権の放棄又は土地の賃貸借の解約の申入れをすることができる。
2 前項に規定する場合において、借地権者が借地権設定者の承諾を得ないで残存期間を超えて存続すべき建物を築造したときは、借地権設定者は、地上権の消滅の請求又は土地の賃貸借の解約の申入れをすることができる。
引用:e-Govポータル 借地借家法第7条8条

CASE21. 借地上の建物が火事で亡くなった後、地主が代わった

借地上の建物が火災でなくなってしまったため放置していたところ地主が代わってしまった。

借地権の第三者への対抗要件である借地権者の名義の建物が存在しないため、放置していると新しい地主に対して借地権を主張できません。
建物が火災などで滅失した場合は下記の要件を満たす看板等を設置することで2年間は第三者に対抗することが出来ます。

① 建物を特定するために必要な事項 ② 滅失が合った日 ③ 建物を新築する旨

(借地権の対抗力)
第十条 借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。
2 前項の場合において、建物の滅失があっても、借地権者が、その建物を特定するために必要な事項、その滅失があった日及び建物を新たに築造する旨を土地の上の見やすい場所に掲示するときは、借地権は、なお同項の効力を有する。ただし、建物の滅失があった日から二年を経過した後にあっては、その前に建物を新たに築造し、かつ、その建物につき登記した場合に限る。
引用:e-Govポータル 借地借家法第10条

CASE22. 借地の一部を駐車場として貸し出したい

居住目的で土地を借り、建物を建てたが駐車スペースが余っているため貸し出したい。

借地の一部を駐車場として貸し出す行為は、借地の転貸に当たるため地主の承諾が必要です。地主の承諾を得ずに勝手に貸し出してしまうと契約解除の事由になりえます。(民法612条)
借地契約書の用途が住宅用地となっている場合は、用途の変更の承諾も得ると安心です。
地主の許可が得られない場合は、代わりに裁判所に許可を求めることができます。

(賃借権の譲渡及び転貸の制限)
第六百十二条 賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。
2 賃借人が前項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができる。
引用:e-Govポータル 民法第612条

CASE23. 借地上の建物がなくなったので駐車場として貸し出したい

借地上の建物に住んでいたが、火災で滅失したため駐車場として貸し出したい

火災で借地上の建物がなくなった場合、存続期間中であれば借地権は消滅しないため駐車場として貸し出しても借地権を主張できます。
しかし、建物所有目的の土地賃貸借契約にも関わらず、駐車場として活用するという行為は用途違反であり、別の問題が発生するため一度借地契約を解除し、再度賃貸借契約を交わすほうが無難です。
通常、駐車場として貸し出す目的の場合、借地権は発生せず(借地借家法は適用されない)民法上のただの賃貸借契約となります。

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弊社は、借地権・底地権に特化して事業を行っている専門会社です。これまで多くの借地権者様、地主様とお話しをさせていただき円満解決へ向けたサポートを行って参りました。借地権契約を口約束などで行っている場合も多く、相続などのタイミングでトラブルとなってしまうケースも多いようです。
地域や状況などにより、そのトラブル事例も様々であり借地借家法などの法律問題も絡めると問題解決には、専門的な知識と長年の経験が必要になります。 借地権トラブルにおけるご相談、売買査定など全てお問い合わせは無料でお受けしておりますので、まずはお気軽にお問い合わせ下さい。
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記事監修

監修者大庭辰夫 監修者大庭辰夫

監修者:株式会社マーキュリー 取締役 大庭 辰夫
2011年4月に入社以来、借地権・底地などの権利関係が複雑な不動産を取り扱い数多くの借地権者様、地主様の問題を解決し、土地・戸建て・マンション ・商業ビルなどあらゆる不動産の再生を行ってきた。
また、弁護士との情報共有を頻繁に行い、借地権・底地の見識を日々深めている。2018年5月、取締役に就任。

 

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