借地権の更新
支払い義務や相場について

借地権の更新について

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    借地権の更新について

    「借地法(以下、旧法と呼ぶ)」と新しく制定された「借地借家法(以下、新法と呼ぶ)」により異なります。
    旧法は、借地権の存続期間が満了したとき(借地契約更新時)に借地契約を更に継続する事が出来ます。
    旧法では、

    • 当事者の合意によるとき
    • 借地権者から更新の請求をしたとき
    • 土地所有者に自己使用その他の正当事由がある場合を除き、土地所有者が異議を述べた場合でも借地権者が使用を継続できる

    上記の場合でも借地権を更新できる、と定められています。
    地主様は、契約の更新について異議を唱えない代わりに、借地権者に対して更新料を請求するケースが多いようです。
    新法では、普通借地権以外の定期借地権や建物譲渡特約付借地権などは借地契約の期間満了で終了します。
    地主さんも、様々な理由で借地権者さんに対し更新を拒絶してきたりもします。しかし、借地権者さんが居住していた場合には、その住居を奪うことになるので、それ相当の正当事由などがない限り更新拒絶を認められることはありません。

    借地権の種類
    旧法の借地権
    (平成4年7月31日迄に設定されたもの)
    借地借家法による借地権
    (平成4年8月1日以降に設定されたもの) (平成4年8月1日以降、平成19年12月31日迄に設定されたもの) (平成20年1月1日以降に設定されたもの)
    普通借地権 一般定期借地権
    借地権の存続期間を50年以上として
    • 借地借家法の契約更新に関する規定を適用しない旨
    • 建物の再築による存続期間の延長の規定を適用しない旨
    • 建物の買取請求権を認めない旨
    の3つの特約を定めたもの。
    契約は公正証書等の書面によることが必要
    建物譲渡特約付借地権 借地権設定後30年以上を経過した日に借地上の建物を相当の対価で地主に譲渡する旨の特約を定めたもの。
    当該建物の譲渡により借地権は消滅する。
    事業用借地権 専ら専業の用に供する建物の所有を目的とし、存続期間を10年以上20年以下としたもの。
    • 法定更新、再築による期間の延長等
    • 建物買取請求権
    • 建物の再築についての裁判所の許可
    の規定が適用さえない。
     契約は公正証書によらなければならない。
    事業用定期借地権 専ら事業の用に供する建物の所有を目的とし、存続期間を10年以上50年未満としたもの。
    (ア)10年以上30年未満の期間を設定した契約については
    1. ①法定更新、再築による期間の延長等
    2. ②建物買取請求権
    3. ③建物の再築についての裁判所の許可
    の規定が適用されない。
    (イ)30年以上50年未満の期間を設定した契約については、上記① ② ③を適用しない旨の特約を定めたものであれば適用されない。
    (ウ)(ア)及び(イ)の契約は必ず公正証書によらなければならない。
    存続期間
    【期間の定めがある場合】
    コンクリート造り等の堅固な建物は30年、その他(木造等)の建物は20年より短い期間を定めた場合には、期間の定めがないものとみなされる。
    【期間の定めがない場合】
    堅固な建物は60年、その他の建物は30年。
    • 原則30年
    • 当事者間でこれより長い期間を定めた場合はその期間
    50年以上 30年以上 10年以上20年以下 10年以上50年未満
    更新
    原則として期間満了により借地権は消滅するが、以下のいずれかに該当する時は更新される。 更新はなく、借地権は期間満了とともに消滅する 借地上の建物を地主に譲渡することで、更新することなく借地権は消滅する。
    ただし、借地期間の終了時に借地権者が建物の使用を継続しているときは、借地権者の請求により地主との間で当該建物について期間の定めのない借家契約が締結されたものとみなされる。
    更新はなく、借地権は期間満了と共に消滅する。 10年以上30年未満の期間を設定した契約について更新はなく、借地権は期間満了と共に消滅する。 30年以上50年未満の期間を設定した契約の場合、契約の更新に関する規定を適用しない旨の特約を定めた時は更新はなく借地権は期間満了と共に消滅する。
    1. ①当事者で合意した場合
    2. ②借地権者が契約更新を請求したときで、建物が現存する場合
    3. ③借地期間満了後も借地権者が土地の使用を継続しているとき
    1. ①当事者で合意した場合
    2. ②借地権者が契約更新を請求したときで、建物が現存する場合
    3. ③借地期間満了後も借地権者が土地の使用を継続し、現に建物がある場合
    但し、②の更新請求③の使用継続がなされた場合でも地主が遅延なく正当事者(注)ある異議を唱えた場合には更新されない。
    更新期間
    堅固な建物は30年、それ以外は20年 最初の更新は20年、2回目以降の更新は10年
    なお、合意による更新の場合で当事者間で上記期間より長い期間を定めた場合にはその期間となる。

    ※正当事由とは
    借地人の更新請求や使用継続に対する地主の異議は「正当事由」がなければ述べることができません。
    旧借地法は、正当事由の内容を「借地権設定者が自ら土地を使用する事を必要とする場合、その他正当の事由」と概括的に規定していましたが、新法ではこれを明確にしています。

    1. 借地権設定者及び借地権者が土地の使用を必要とするとき。

    2. 借地に関する従前の経過

    3. 土地の利用状況

    4. 借地権設定者が土地の明渡し条件として、土地の明渡しと引換に借地権者に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合(立退料)

    1を基本に考え2~4を総合的に判断し正当事由の考慮要素になります。

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    更新料の支払い義務について

    借地権の更新料の支払い義務については法的には根拠が明確となっていません。
    ですが、気をつけなければならない点として、

    • 契約書に明記されている場合
    • 明記されていなくても両者に支払の合意がある
    • 過去に支払がされた実績がある
    • 借地権設定者が土地の明渡し条件として、土地の明渡しと引換に借地権者に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出(立退料)

    といった上記のような場合に更新料の不払いを理由に賃借契約を解除された判例もあります。

    借地権の更新料の相場

    更新料の高い低いでしばしば地主さんと借地人の間でもめるケースが多く見受けられます。

    慣習上、更新料の相場は「更地価格の3~5%前後」が目安となっている事が多いようですが、首都圏では高めになる傾向があるようです。

    ※あくまで相場であり、実際の条件、土地などによって異なります。
    詳しくはお気軽にお問い合わせください。

    旧法借地権による更新後の借地期間

    【更新後の借地期間の概要】
    旧法では非堅固建物と堅固建物で更新期間は違います。
    非堅固建物の更新期間は20年以上となり、当事者間の定めがない場合には20年となります。
    堅固建物の場合は更新期間は30年以上となり、当事者間の定めがない場合には30年となります。

    新法借地権による更新後の借地期間

    【更新後の借地期間の概要】
    更新後の借地期間は、借地権設定時の期間がそのまま繰り返されるものではなく、これと異なる期間が定められてます。
    その期間は、最初の更新時の借地期間と二回目以降の更新時の借地期間とでは異なります。

    【最初の更新時における借地期間について】
    借地権設定当初の期間が満了した場合、最初の更新時における借地権の存続期間は20年以上となります。
    当事者間で更新後の借地期間を定めることが許されることはもちろんですが、この場合には、20年以上の期間を約定することを要し、25年とか40年という期間を定めることは適法なのですが、20年よりも短い10年や15年という定めは借地権者に不利な特約として無効とされ、借地期間は20年となります。(借地借家法第4条、第9条参照)

    【二回目以降の更新後の借地期間について】
    借地契約において最初の更新期間が満了して、2回、3回と更新が繰り返される場合には、その更新後の借地権の存続期間は何回目の更新であるかを問わず同一の規律に服することになります。
    すなわち、当事者間で更新後の期間を定めなかったときは、借地期間は更新の日から10年とされ、借地期間を当事者の合意で定めるときも、 10年以上の期間を定めることが要求されます。15年とか22年等の10年を超える期間の定めは有効ですが、3年や7年という10年未満の期間の定めは、借地権者に不利なものとして無効とされ、借地期間は10年の法定期間が適用されることになります。(借地借家法第4条、第9条)
    これら更新後の借地権の存続期間の定めは、旧法である借地法の定めと異なり、借地上の建物が堅固建物であるか非堅固建物であるかを問わず一律に定められており、存続期間に差異はありません。

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    借地権の更新に関するよくある質問

    Q
    地主さんから更新と同時に旧法から新法に切り替えたいと言われたが、切り替えないといけないのでしょうか?
    A
    原則、旧法借地権の場合は旧法借地権のまま更新されます。
    しかし、当事者同士の合意があれば旧法から新法への切り替えは可能です。
    Q
    更新の際に地主さんから高額な更新料の請求をされている。更新料の相場はいくらですか?
    A
    更新料に関して法的な定めはありません。当事者同士の話し合いで決めるしかありませんが、慣習として更地価格の5%前後と言われています。
    Q
    更新料を請求されたが払わなければなりませんか?
    A
    土地賃貸借契約書に更新料に関する条項が記載されていなければ支払う義務はないとされています。
    ですが、土地賃貸借契約書に記載が無くても、別で合意書や以前に支払ったことがある場合などは更新料に関して支払いの合意がされているとみなされ、支払い義務が生じる可能性はあります。

    記事監修

    監修者大庭辰夫 監修者大庭辰夫

    監修者:株式会社マーキュリー 取締役 大庭 辰夫
    2011年4月に入社以来、借地権・底地などの権利関係が複雑な不動産を取り扱い数多くの借地権者様、地主様の問題を解決し、土地・戸建て・マンション ・商業ビルなどあらゆる不動産の再生を行ってきた。
    また、弁護士との情報共有を頻繁に行い、借地権・底地の見識を日々深めている。2018年5月、取締役に就任。

     

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